サウンドロイド

サウンドロイド プロジェクト

この開発プロジェクトは三井不動産と共同でビジネスに適した音環境を提供するという目的のもと,東京藝術大学古川 聖を中心としたさまざまな芸術家や研究者が集まった研究グループで行われてきた.音楽の自動生成の研究と音楽と情動に関するいくつかのアイディアが結び付きスタートされ,2018 年11 月からβ版の一般公開を始めた(https://soundroid.com/).
音/音楽を自動生成するためには,生成された音/音楽とそれに対する人間側の反応・評価を関係付けるデータが不可欠で,三井不動産との共同作業は重要な意味をもつ.現時点でサウンドロイドは仕事の能率化という限定された目的をもつが,このプロジェクト自体はもっと広い射程をもち,私達を取り巻くさまざまな状況に対応する音/音楽の自動生成システムを志向している.2019年の4 月に正式版のリリースを行う予定である.

サウンドロイドの概要

「音/音楽の自動生成」のように音と音楽が並べて書かれているのは,サウンドロイドが生成し出力する音が,いわゆる音楽と環境・生活音(街の音,雨の音,風の音,etc.),この両者の中間にあるようなタイプのものをイメージしているからである.それはポップソングや古典的クラシック音楽のように構成された音楽作品ではなく,また上記の環境・生活音のように私達の日常を取り巻く音でもない.比較的,環境音楽やアンビエントと呼ばれる音楽に似ているが,これらには何らかの表現者,作者が存在する.これらは録音され固定されているか,またリアルタイムに生成されるにしても,そこに作者側の意図や表現が含まれ,ある一定の形をしていることが多い.一方で,サウンドロイドが生成する音/音楽は,ユーザ主体で生成され変化していく不定形なものである.サウンドロイドの特徴を以下のようにまとめることができる*1.

1)ユーザからのデータをもとに音/音楽をリアルタイムで自動生成するアプリケーションである(現在はPC 上で動作,スマートフォン版も準備中)
2)サウンドロイドの現在のバージョンには仕事に集中するための音環境をつくるという明確な目的が設定されている.
3)サウンドロイドはユーザが自分の目的のために,システムとともに自分で音環境をデザインしていく仕組み自体であり,100 人100 様に音/音楽がパーソナライズされる.
4)サウンドロイドは音/音楽の自動生成のためのパラメータをユーザが設定している.また,サウンドロイドを利用時における人間の反応や評価をサウンドロイドはデータとして取得している.「徐々に成長していくシステム」のような長期的なイメージのもと,プロジェクトは進められている.β 版公開運用以降にデータ収集を行い,段階的にデータ分析や機械学習の手法を応用していく予定である.

プロジェクトチーム

古川  聖 東京藝術大学
大村 英史 東京理科大学
濵野 峻行 東京藝術大学
川村  剛 TAJISOFT,RF ルーカス
柴山 拓郎 東京電機大学
長谷   川丈(三井不動産株式会社)
尾崎   徳行,廣川翔太,宮本佳奈(株式会社博報堂)
松尾謙二郎,岩田裕大(インビジブル・デザインズ・ラボ)